一本の大木から学ぶ、多くの事

樹齢何百年という雪国に育つ木と常夏のグアム島に育っている木に同じ現象を観察 することができます。

幹は太く威厳と逞しさにあふれ、何か圧倒する雄大さがあります。しかし、 枝は小さく太い幹に不釣り合いな感じを受けます。

雪国では、長年の間に大雪で枝 が折れその繰り返しをしてきたといわれます。南国グアム島は激しい台風のパ ワーの前で、何度も枝が折れ、同じようにその繰り返しをしてきています。

こうして見ると長い間生き続けるということは、要らないものを一つ一つ削ぎ落としながら、 必要なものだけを選んで行く作業であるのかもしれません。
人も年齢を重 ねるにつれて、あれだけ欲しかった物に対して一つ一つ興味を無くし、生きるために必 要な物が少しだけ残っていくのと、どこか似ている気がします。

あの大きく逞しい幹は、生きる命に溢れ、揺るぎない自信と喜びが宿っているように見えてくる。 何度も生存の危機を潜り抜け、何度も自然の厳しさも優しさも味わいながら、 やがて環境に適した生き方になった結果ではないだろうか。

欲しい物は何でも手に入れてみれば良い。いらない物は捨ててしまって身 軽になれば良い。遅かれ早かれ墓場に行く時は皆裸一つなんだから。
多くの経験をして行き着くところは、あの大樹のように見かけにとらわれず、 しっかりした根と太い幹になり、想い出をいっぱい詰め生き抜くことではないだろうか。

それが幸せな生き方のような気がする。  一本の大木からも多くの事を学べ、自然を見つめる楽しさと喜びを感じられる。

見ようとしなければ何にも見えない自然界、尽きる事のない発見と奥深いジ ャングルのように行き着く事の出来ない深さを感じる。

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濱本久允

濱本久允

ハマモトガーデンズの開拓者 濱本久允は昭和22年に愛媛県で生まれました。オーナー濱本久允の自然に対する向き合い方や思いを綴ってまいります。