最大瞬間風速105メートル
開園して間もないハマモト・トロピカル・フルーツ・ワールドは、1997年12月15日、超大型台風パカに襲われました。ところで、アメリカでは台風は番号ではなく、名前がついています。かつては台風の名は女性の名と決まっていましたが、今は性別に関係ない名が多く使われています。
1997年の台風パカの折も,大きな痛手を受けました。建物は飛んでしまい、木々は倒れ、オーナーの浜本はこんなジョークを言ったものです。
被害の大きさに絶望して、首を括ろうと思ったが、ロープを掛ける木が一本も残っていなかった。
これは本当に冗談で、浜本はそんなひ弱な人間ではありません。 さらに闘志を燃やし、園内の復興に取り組んだのです。木を植え、種を蒔き、木々に支えをし、毎日毎日元気に育てと植物たちに語りかけたのです。
経済的にも、肉体的にも、苦しい日々でした。 しかし、浜本が木々を支えたように、浜本を支えてくれた多くの声援があったのです。 近くには、従業員たちや、グアムの友人達が声を掛けてくれました。 遠く日本から、大勢の方々が励ましを送ってくれました。 この方々の温かい心を糧として、復興への意欲を育てたのでした。
幸いにもその後数年は静かな月日を送ることができました。 花は咲き、動物たちも増え、木々は実を付ける大きさに育ち、園内を歩く時自然と足取りが軽くなりました。自然と共に生きる喜びを感じていました。